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2024.11.25 スタッフブログ

【音の豊かさを生み出す「倍音」とは?】初心者にもわかりやすくプロが解説!

突然ですが、歌の練習をしている人の中には「倍音」という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

倍音とは、声や音の豊かさを生み出すための重要な要素です。

倍音を使いこなすことで、歌声による感情表現や聞く人に与える印象を操作することができます。

「倍音って何?」

「よくわからないけど、いい音が出るってこと?」

「練習すれば倍音を出せるようになる?」

本記事では、このような疑問を持っている方に向けて、倍音の概要やその効果、倍音により豊かな歌声を作る方法などについてご紹介します。

初心者でもわかるようかみ砕いてご説明するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

倍音とは?

それでは早速、倍音とは何かについてご説明します。

倍音とは、簡単に言うと、基本の音の他に併せて鳴っている周波数の高い音のことを指します。

たとえば、単純に「ラ」の音を鳴らしても、実際には他の音も鳴っているのです。

この時、土台となっている「ラ」のことを基音と呼び、その他の音のことを「倍音」と呼びます。

つまり、私たちの歌声や楽器が奏でる音は、基音と倍音で構成されているのです。

本項目では、倍音について以下の3つのテーマに分けてご紹介します。

  1. 弾いていないのに自然に発生する音
  2. 倍音によって聞こえ方が違う
  3. 意識すると聞こえるようになる

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弾いていないのに自然に発生する音

先述した通り、「ラ」を鳴らしても実際には「ラ」以外の音も発生しています。

「ラ」以外の音は弾いていないにもかかわらず自然に発生するのです。

この「ラ」を基音、それ以外の音は第2倍音、第3倍音というように順に名前が付きます。

弾いていない音が発生するのは、共鳴という現象によるものです。

たとえばピアノだと、「ラ」を弾いた際に、隣り合う弦が同時に振動して音が発生するという仕組みです。

これは、人間の声帯でも同様の現象が起こります。

人間の声は、声帯が振動して発生しますが、共鳴腔にて共鳴が起こることで倍音が発生し、美しいと感じられる歌声には、多くの倍音が混じっていると言われています。

倍音によって聞こえ方が違う

発生する倍音によって、歌声や楽器の音の聞こえ方は異なります。

つまり、強く聞こえる倍音もあれば、弱く聞こえる倍音もあるということです。

中には、はっきり聞こえない倍音もありますが、音色全体を豊かにする重要な役割を果たしています。

ひとつの音だけが鳴っているように思えますが、実は私たちは、基音とさまざまな倍音が混じり合った複雑な音を聞いて音を識別しているのです。

意識すると聞こえるようになる

倍音によってははっきり聞こえるものもありますが、なかなか聞き取れないものもあります。

しかし、意識して聞き取りを続けることで、聞き分けられるようになってきます。

たとえば、倍音が多く含まれている歌手の歌声を意識して聴いてみたり、鼻歌を歌って自分の倍音を感じてみたりする方法がおすすめです。

継続的に意識することで、自然と倍音が聞こえるようになるでしょう。

倍音による効果

倍音は音の響きを豊かにするものですが、具体的にはどのような効果があるのでしょうか?

ここでは倍音による効果について、以下の3つの側面から解説します。

  1. 音が与える印象を左右する
  2. リラクゼーション効果を生む
  3. 人の興味を引きやすい

音が与える印象を左右する

基音に倍音が加わることで、音が人に与える印象を左右します。

倍音は音に立体感を加え、複雑で豊かな響きを発生させます。

そのため、基音だけでは単純で薄っぺらく聞こえる音でも、倍音が加わることで壮大で温かみのある音に感じられるようになるのです。

リラクゼーション効果を生む

倍音を多く含む音を聞くと、リラクゼーション効果を生むと言われています。

倍音が多く含まれる音は、脳をリラックス状態にさせるアルファ波やシータ波へと導く効果があるのです。

これにより、集中力がアップしたり、ストレスが軽減したりする効果も期待できます。

人の興味を引きやすい

単純な基音のみの音より、複雑で深みのある倍音が加わった響きは、人の興味を引きやすいという特徴があります。

先述した通り、倍音にはリラクゼーションの効果もあります。
そのため、聴くことで癒しが得られるのはもちろん、深みのある響きに感動を覚えることも。

倍音を意識したキャッチーなメロディを演出することで、人に受け入れられる音楽が作れるでしょう。

倍音の種類

倍音には「整数次倍音」と「非整数次倍音」の2種類が存在します。

それぞれの倍音の特徴について、以下で解説します。

整数次倍音

基音に対して整数倍となる周波数を持つ音のことを「整数次倍音」と呼びます。

基音に整数次倍音が加わることで、1オクターブ上の音が聞こえるようになります。

また、基音と調和する音を生み出す倍音であるため、まとまりのある心地よい響きになるのが特徴です。

高音が含まれることで明るい印象を与えるため、キャッチーな音楽に適している歌声だと言えるでしょう。

非整数次倍音

基音に対して整数倍ではない周波数を持つ音のことを「非整数次倍音」と呼びます。

非整数次倍音は息と密接に関係しており、音程とは別の部分で基音に作用します。

たとえば、ハスキーボイスやしゃがれ声といった発声方法で非整数次倍音を生みだしやすくなるのです。

音楽的にはいわば、「不協和音」として感じられることがあるでしょう。

これは音に個性を加えるという面で大活躍します。

そのため、緊張感など、調和ではなく不調和を演出したいときに適していると言えるでしょう。

倍音で豊かな歌声を作る方法

倍音が何かやその効果について理解が深まったところで、倍音で美しい歌声を作る方法が気になってきた方もいるのではないでしょうか?

ここでは、倍音で豊かな歌声を作る方法を5つに分けて解説します。

声の共鳴を意識する

声の場合、声帯が振動して生まれる基音に喉や口腔、鼻腔が共鳴を起こし倍音が生まれます。

声の共鳴を意識するには、歌う際に口を大きく開き、共鳴しやすい形で発声してみましょう。

自分の声が頭に響く感覚や、胸に響く感覚を意識するのもおすすめです。

喉を開いて発声する

喉を開いて発声することで、安定した声色で発声することができます。

また、開いた喉の空間を使って声の響きを調節することも可能です。

喉が閉じていると、くぐもった音になったり、声が太くなったりすることになります。

自分が意図している声色を表現するために、喉を開いて発生することを意識してみましょう。

口の開きで声のトーンを調節する

口の開きによって声のトーンを調節することが可能です。

先述した通り、声の共鳴させるには口を大きく開くことが大切。

口を小さく閉じて歌うと、暗くこもった印象になります。

共鳴を得るためにも、口を十分に開いて歌ってみましょう。

鼻腔を広げる

鼻腔を広げられるようになると、より豊かな声色が表現できるようになります。

高い声が出しやすくなったり、声量が増えたり、上手く歌いたい人にとってはメリットばかりです。

たとえば鼻腔を広げることで、鼻に共鳴する分量が増え、力いっぱい声を張らなくても十分な声量が出せるようになります。

耳で聞き分ける

倍音が耳で聞き分けられるようになると、どのように倍音を強調すべきか使いどころが理解できるようになります。

たとえば、倍音が多く含まれる歌手の歌声を聴く、ピアノやシンセサイザーで倍音を聴く、自分の声を録音して基音と倍音を聞き分ける練習をするなどがおすすめ。

倍音が聞き分けられるようになると、どういったところでどのような倍音を出せば豊かな音楽を表現できるかがわかるようになります。

倍音を出すためのトレーニング方法

続いて、実際に倍音を出すためのトレーニング方法について解説します。

倍音を活用して豊かな歌声を披露したい方は参考にしてみてくださいね。

喉のトレーニング

喉のトレーニングで大事なのは、喉を開くこと。

喉で共鳴を生むには喉が開いていなければなりません。

軽くあくびをするような感覚で、喉の奥に空間を作りましょう。

空間ができたのを確認できたら、低い声を出してみます。

この時、喉ぼとけが下に下がっていれば喉を開いて発声できているということです。

日頃から喉を開く練習をして、歌う際にも同じようなかたちになるよう意識してみましょう。

口のトレーニング

口をトレーニングする場合、口を縦に大きく開けて発生することを意識します。

これにより共鳴が生まれ、倍音を生み出しやすくなるでしょう。

コツとしては、下顎をしっかり下に下げて口を開くこと。

そうすることで簡単に口のトレーニングができます。

鼻腔のトレーニング

鼻腔のトレーニングでは、ハミングを活用します。

ハミングとは、鼻歌のこと。

簡単にできそうですが、鼻に声を集めて共鳴させるにはコツが必要です。

口を軽く開け、舌の奥を上顎にくっつけて口から出る声を遮断した上で鼻歌を歌ってみましょう。

口を閉じてハミングの練習をすることで、鼻に響く音が感じられるようになり、出したい声に近づけることもできます。

まとめ

倍音を知らなかった方は、この記事を読んでどんなものか理解できたのではないでしょうか?

倍音は豊かな歌声や美しい歌声を披露するのに必須の要素です。

整数次倍音や非整数次倍音を細かく使い分けることで、深みのある歌声を披露することもできます。

トレーニングを重ねて共鳴を意識すれば、誰でも倍音を出せるようになるでしょう。

ぜひこの記事を参考に、倍音を生かしてみてくださいね。

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