「倍音ってどうやって出すの?」
「倍音を練習して、歌唱力を上達させたい」
歌唱テクニックや歌の練習に励んでいる方の中には、このように考えている方も多いのではないでしょうか。
倍音は、音の種類を指す言葉で、音の基本となる周波数(基音)の2倍、3倍などの整数倍の周波数の振動のことを言います。
そこで今回は、倍音の出し方について、その重要性や使いこなすためのポイント、魅力的な歌声を生み出す方法などをご紹介します。
また、横浜ボーカル教室では、歌の練習がしたい、歌唱テクニックを磨きたいという方をいつでも受け付けていますので、ご興味がある方はぜひお気軽にお問い合わせください。
歌の練習については「【本当に上達する!】歌の練習方法や具体的なコツを徹底解説!」にてご紹介しているので、気になる方はぜひこちらもご覧ください!
倍音とは?
まずはじめに、倍音についてご紹介します。
倍音とは、歌声や楽器における「音」の種類を指すもので、基本的なベースとなる音を指す言葉「基音」と対になる言葉です。
私たちの歌声や演奏する楽器から聞こえる音には、いくつもの周波数を含む音が混じり合っており、その中でも「基音」の周波数の整数倍(2倍、3倍など)の周波数を持つ音を「倍音」と呼びます。
同じ音の高さでも、人によって歌声や声質が異なるのは、声に「倍音」が含まれているからです。
倍音は、人によってもその組み合わせや構造が異なるため、上手く使いこなすことができれば、独自のユニークな歌声や歌唱表現を身に付けることにも繋がります。
とは言え、倍音は他人の声や楽器の音を聞くだけで正確に聞き分けることができるものでもないため、あくまで最初は感覚的に身に付けていくことを目標とすると良いでしょう。
また、倍音については「音の豊かさを生み出す「倍音」とは?初心者にもわかりやすくプロが解説!」でもご紹介しているので、気になる方はぜひこちらもご覧ください!
基音と倍音の違い
次に、基音と倍音の違いについてご紹介します。
前述したように、私たちの声や楽器の音では「基音」と「倍音」の2種類の音が混じり合っており、それぞれの音が組み合わさって私たちの耳に届いていると言えます。
基音は、音の根管となる音を指し、その音の高さを決定づける要素です。
例えば「ラ」の音を出す時は、440Hzが基音となります。
一方、倍音は基音の2倍、3倍、4倍…という周波数で共鳴する音で、声に豊かな響きと色彩を与える効果があります。
基音や倍音を言葉で説明するとなるとこのようなイメージですが、実際には歌う際の感覚として身につけている方の方が多いと言えます。
歌手や歌を歌う方にとって重要なのは、この倍音をコントロールする技術です。
共鳴腔(喉の一部で、声帯が振動した音が反響する空洞部分のこと)の形状を変えることで、特定の倍音を強調したり抑えたりすることができ、これによって声質や音色を大きく変化させることができます。
例として、オペラ歌手が持つような特徴的な美しい響きは、高次の倍音を効果的に増幅させることで生まれているのです。
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歌唱においてなぜ倍音が重要なのか
ここでは、歌唱における倍音の重要性についてご紹介します。
倍音の重要性を一言で述べるとするならば「倍音は歌声をより魅力的にする上で必要不可欠だから」と説明することができます。
とは言え、倍音は正確に使いこなすことができなくとも、自然と歌声に混じっており、実際に倍音を意識せずとも自身の歌声に活かしている歌手の方も多くいます。
それでも、倍音という音をしっかりと理解した上で使いこなすことができれば、歌声における表現力や歌唱力そのものもより魅力的なものに仕上げることができます。
ちなみに、倍音が全く含まれないような歌声が存在するとすれば、それはおそらく限りなく人工的な音に聞こえてしまうでしょう。
それほど、倍音は歌声や音において重要な要素なのです。
また、倍音と声の関係性については「【倍音とは?】歌声の特徴や基音との違い、歌う際のテクニックについてプロが解説!」でもご紹介しているので、気になる方はぜひこちらもご覧ください。
歌を歌う際に倍音を出す方法
次に、歌を歌う際に倍音を出す方法についてご紹介します。
倍音を意識的に出す際は、まず「ンー」という鼻腔共鳴の音で歌ってみることをオススメします。
この時、指を頬骨の横に軽く当て、そこで振動を感じることを意識します。
この振動こそが、倍音がしっかりと出せている証拠になります。
倍音を意識した発声に慣れてきたら、次は喉の奥を縦に広げ、軟口蓋を自然と持ち上げることで、声の通り道を開けることを意識してみましょう。
人によってコツは異なりますが「卵を口の中に抱えているイメージ」を意識して、喉に力を入れすぎないことがポイントです。
これらの点を意識して声を出すことができれば、練習を重ねることでより魅力的かつ安定的な倍音の声を出すことができるようになるでしょう。
倍音を出す際に大切なことは、力まないこと(リラックスすること)と適切な共鳴のバランスを見つけることです。
ぜひ実践してみてください。
倍音を上手く使いこなすためのポイント
本項目では、倍音を上手く使いこなすためのポイントについて、以下の5つのポイントに厳選してより詳しくご紹介します。
- 基音と倍音の違いを正確に理解する
- 基音を正確に出せるようにする
- 喉をしっかりと広げる
- 小さな声から練習する
- 頭頂部に向かって声を出すイメージを持つ
倍音の出し方についてより詳しく知りたいという方は、ぜひ本項目の内容を参考にしてみてください。
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①基音と倍音の違いを正確に理解する
倍音を上手く使いこなすためのポイントの1つ目は「基音と倍音の違いを正確に理解すること」です。
当然のことですが、倍音を自在に使いこなすためには、基音と倍音の違いを正確に理解することが非常に重要です。
歌声や楽器における基音と倍音の関係性、違いについて理解することができれば、歌を歌うタイミングや求められる表現に合わせて倍音を使いこなすことができるようになります。
まずは他人の声や自身の歌声を客観的に聴くなどして、倍音を感覚的に感じることができるようになることを目指しましょう。
②基音を正確に出せるようにする
2つ目は「基音を正確に出せるようにすること」です。
基音、つまり歌声における各音の根幹となる音を正確に出せるようになるということは、歌の本来の音程に合わせてしっかりと声を出すことができるようになるということです。
こちらも当然のことですが、歌の本来の音程に沿った正しい歌声(基音)を出すことができなければ、いくら倍音を使いこなせたところで魅力的な歌声には繋がりません。
まずは正しい音程を出すことができるよう、歌唱テクニックや音程感覚を身に付けることが重要です。
③喉をしっかりと広げる
3つ目は「喉をしっかりと広げること」です。
「歌を歌う際に倍音を出す方法」としてもご紹介した通り、倍音を出すためには喉をしっかりと広げて音の通り道を意識することが重要です。
喉の奥の部分を縦に広げ、「あくびの始まりのような状態」をイメージすると、より倍音を出しやすくなるでしょう。
また、歌声を出す際に口周りが力んでしまうと、本来の音を出すことができなくなるため、喉を広げる際は、顎に余計な力が入らないよう注意することが重要です。
④小さな声から練習する
4つ目は「小さな声から練習すること」です。
歌声に必要な倍音という要素と聞くと、大きな声で練習しなくてはならないと思ってしまいがちですが、倍音を練習する際は小さな声でコツを掴むところから始めることがポイントです。
小さな声で歌うことで、声の芯や倍音の存在をより明確に感じ取ることができます。
通常の声と同じような大きさの声で練習する際は、声量を抑えながらも、声が前に飛ぶような感覚を保つことが重要です。
小さな声での練習に慣れてきたら、徐々に声量を上げて声を大きくしていくと良いでしょう。
⑤頭頂部に向かって声を出すイメージを持つ
5つ目は「頭頂部に向かって声を出すイメージを持つこと」です。
倍音の出し方を身に付ける際に限った話ではありませんが、歌声として魅力的な声を出すためには、「頭頂部から天井に向かって声が伸びていく」イメージを持って歌うことが重要です。
このイメージを持ったまま声を出すことができれば、声が上顎から頭蓋骨に沿って自然に響き、より豊かな倍音が生まれやすくなります。
また、頭頂部に向かって声を出すイメージを持つ際は、歌う際の姿勢にも注意することが大切です。
背筋を自然に伸ばし、顎を軽く引くことで、声の通り道を整えることができるでしょう。
倍音が出せているかどうか判断する方法
次に、倍音が出せているかどうか判断する方法についてご紹介します。
倍音は、音として正確に聞き取ることが難しい上、自身の声の場合はなおさら聞いて判断することが難しくなります。
そんな時は、手のひらを頬骨の横に軽く当てて振動を確認すると、倍音が正しく出せているかどうかを手っ取り早く確認することができます。
しっかりと振動していれば倍音が出せている、逆に振動をあまり感じないようであれば倍音が出せていない、といった具合です。
それでも判断が難しいという場合は、一般的な倍音の歌声と自分自身の声を客観的な視点から比べてみると良いでしょう。
また、現在は倍音が正しく出せているかどうかを確かめることができるアプリもあります。
機械的な判断にはなりますが、より正確に倍音が出せているのかどうかを確認したいという方は、アプリを使った確認方法も検討してみると良いでしょう。
倍音を出す際の失敗パターン
本項目では、倍音を出す際の失敗パターンについてご紹介します。
倍音を出そうとして失敗するパターンにはいくつかの種類がありますが、代表的なものは以下の3つです。
- 顎や喉に力が入りすぎてしまう
- 口を横に広げすぎてしまう
- 全体的な姿勢が悪くなってしまう
倍音を練習しているけど上手く出すことができない、思い通りに倍音を含めた歌声を出すことができないという方は、これらのポイントを意識して改善してみると良いでしょう。
倍音を上手く使いこなしている歌手
ここでは、倍音を上手く使いこなしている歌手についてご紹介します。
プロ歌手ともなると、自身の歌声に倍音を自在に組み合わせることで魅力的な歌声を生み出すことができるようになります。
そんな倍音で有名な歌手には、以下のような歌手が挙げられます。
- 森進一
- 八代亜紀
- 青江三奈
- 宇多田ヒカル
- スガシカオ
- 桑田佳祐
実際に倍音を活用して歌を歌っている歌手の歌声が聞いてみたいという方は、ぜひ彼らの曲を聞いてみてください。
魅力的な歌声を生み出す方法
本項目では、魅力的な歌声を生み出す方法について、以下の5つをご紹介します。
- 基音と倍音の違いを正確に理解する
- 基音を正確に出せるようにする
- 喉をしっかりと広げる
- 小さな声から練習する
- 頭頂部に向かって声を出すイメージを持つ
倍音を身に付けることは、魅力的な歌声を生み出す上で非常に重要な要素ですが、それ以外にも意識すべきことは多くあります。
歌唱力を上達させたいという方は、ぜひ本項目の内容も参考にしてみてください。
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①倍音を習得する
魅力的な歌声を生み出す方法の1つ目は「倍音を習得すること」です。
本記事でも繰り返し述べたとおり、倍音は魅力的な歌声を作り出す上で必要不可欠な要素の1つです。
歌のトーンやジャンルによって歌い方を変えるという意味でも、倍音を使いこなすことができるかどうかは、歌うことにおける雰囲気の出し方に大きく影響します。
②腹式呼吸を習得する
2つ目は「腹式呼吸を習得すること」です。
腹式呼吸とは、息を吸い込む時にお腹を膨らませることをイメージするような感覚で行う呼吸のことを指し、助骨の周りの筋肉を使って呼吸する胸式呼吸とは異なります。
そんな腹式呼吸は、胸式呼吸よりも多くの息を吸い込むことができるため、より安定した歌声を出すことができるようになるというメリットがあります。
普段から呼吸時の体の使い方を意識していない場合は腹式呼吸を無意識に行うことは難しいかもしれませんが、歌を歌う際にはぜひ意識してみてください。
③発音と声の出し方を意識する
3つ目は「発音と声の出し方を意識すること」です。
歌唱力を上達させて魅力的な歌声を生み出すという意味では、歌詞を発音するときの声の出し方を意識することも重要です。
歌唱力や歌い方を上達させるというと、どうしても音程や音の出し方の部分に意識が向いてしまいがちですが、歌詞をハッキリと発音して軸がしっかりとした声を出すことも非常に重要なポイントです。
まずは歌を歌う際の滑舌を意識して、一つ一つの言葉をはっきりと発音することを意識してみると良いでしょう。
④表現力を意識する
4つ目は「表現力を意識すること」です。
どんなに音程や声の出し方が優れていたとしても、歌唱における表現が感じられない場合は魅力的な歌声にはなりません。
皆様がイメージする魅力的な歌手を想像してみてください。
皆それぞれ、歌を歌う際には身振り手振りを駆使して体を使って歌を表現している姿が思い浮かぶと思います。
つまり歌とは、声だけで表現するものではなく、身振りや表情などを使って体全体で表現してこそのパフォーマンスなのです。
歌唱力を上達させる方法
最後に、歌唱力を上達させる方法について、以下の3つをご紹介します。
- ボーカル教室に通う
- 音楽アプリを活用して練習する
- カラオケで練習する
歌の練習を重ねて歌唱力を上達させたいという方は、ぜひ本項目の内容を参考にしてみてください。
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①ボーカル教室に通う
歌唱力を上達させる方法の1つ目は「ボーカル教室に通うこと」です。
ボーカル教室は、歌を練習する環境として圧倒的に優れており、最も効率的に歌唱力を上達させたいという方にはオススメの方法です。
特に倍音の出し方などのスキルは、独学で身に付けることが難しいものでもあります。
正しい指導のもと最短でスキルを身につけたいという方は、短期間でもボーカル教室に通ってプロの指導者に教わることを検討しても良いでしょう。
②音楽アプリを活用して練習する
2つ目は「音楽アプリを活用して練習すること」です。
歌の練習がしたいけど、音楽教室に通ってプロからの指導を受けるほどでもない、という方は、スマホアプリを使用して歌の練習をすることも可能です。
現在は、スマホで歌の練習ができるアプリが多く用意されており、実際のカラオケのように採点される機能なども搭載されています。
ただし、自由に声を出すことができないという点やあくまで簡易的かつ機械的な評価を参考にしなければならないという点は、欠点として覚えておく必要があるでしょう。
また、歌の練習に使えるおすすめの音楽アプリについては「【自宅で簡単にできる!】歌の練習にオススメの無料アプリ9選!」にてご紹介しているので、気になる方はぜひこちらもご覧ください!
③カラオケで練習する
3つ目は「カラオケで練習すること」です。
思いっきり声を出してプライベートな空間で歌の練習がしたいという方は、カラオケで練習する方法も良いでしょう。
カラオケは、指導者こそいないものの、好きなだけ声を出すことができる上、マイクなどの本格的な機器を使用して自由に歌の練習に取り組むことができます。
また、複数人で利用することで一緒に練習に取り組むこともできるため、歌が上手い友人や知り合いを連れて個人的に歌い方などを教わることもできるでしょう。
また、カラオケでの歌の練習については「【カラオケで歌を上達させる方法】効果的な練習方法やポイントを徹底解説!」にてご紹介しているので、気になる方はぜひこちらもご覧ください!
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倍音を習得したい方は、ぜひ 横浜ボーカル教室へ
いかがでしたでしょうか。
今回は、倍音の出し方というテーマで、その重要性や使いこなすためのポイント、魅力的な歌声を生み出す方法などについてご紹介しました。
倍音は、歌うことに慣れた方でも完璧に使いこなすことは難しいものでもあります。
正しい知識で倍音の出し方について知りたいという方には、ボーカル教室へ通う、あるいはプロの指導者に教わることをオススメします。
また、横浜ボーカル教室では、倍音をはじめとした歌唱テクニックを身につけたいという方、あるいは仲間と一緒に歌の練習を楽しみたいという方をいつでも募集しています!
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